
五感が鋭く、些細な変化にも気がつきやすく、繊細な特性を持つとされるHSP。
繊細さゆえに「仕事が続かない」「疲れやすい」など、仕事上のストレスが感じやすい傾向にあります。
そのため、自分に合う仕事や探し方が分からずに悩みを抱えてるHSPの人も多くいます。
しかし、HSPの強みを活かせば、仕事で他の人よりも高いパフォーマンスを発揮できる可能性を秘めています。
そこで本記事では、HSPの特徴を「強み」ととらえ、HSPに向いてる職種と仕事を見つける方法について解説しています。
強みになりうるHSPの特徴
HSPには「傷つきやすい」「人の感情に左右されやすい」「行動に移すまで時間がかかる」などの特徴があげられ、仕事や日常生活ではマイナスにとらえられがちです。
しかし、これらを自分だけの「セールスポイント」とすることで、仕事を選ぶ際のヒントになります。
ここではHSPが持つ、強みになりうる特徴を4点紹介します。
深い探究心・思考力
HSPには物事を慎重に検討し、納得してから行動する探究心と思考力の深さを持つ人が多く存在します。
こうした深い探究心や思考力は、慎重さが必要な仕事や場面に重宝するスキルです。
興味のあることは時間を忘れてとことん調べる、といった一つのことを深く掘り下げる探究心と思考力により、独自の視点を生み出せる可能性があります。
また、HSPのこうした探究心や思考力の深さは、危機管理能力が高いともいえます。
リスクを慎重に検討する必要のある業務などに、その特性は活かしやすいでしょう。
強い共感力
HSPの感情移入しやすい特徴は、共感力が強いとも解釈できます。
特に共感力が強い場合、相手の顔色や空気を察することに長けている人も多いです。
そのため、他者の視点に立って物事を考えられる点が強みとなり、相手への細かい配慮や気遣いが必要な場面ではとても役立つでしょう。
こうした相手の気持ちを汲み取って対応できる力は武器となる一方、過剰に働くと疲れの原因となりえます。
共感力の強い傾向があるHSPの人は、周囲の環境から影響を受けやすいため、自分にとって心地の良い職場環境であるかを仕事選びでは重要視すると良いでしょう。
鋭い五感力
HSPには音や光に敏感な鋭い五感を持ち合わせている人もいます。
こうした高い五感力を有するHSPには、ちょとした音や香りの違い、手先から感じ取る微細な感覚など、小さな違いや変化を察知できる能力に長けています。
他の人が気に留めないような、細かい違いを把握できるからこそ、緻密さや正確さが必要とされる場面でプラスに働くでしょう。
豊かな感受性
HSPは感覚が普通の人よりも敏感・繊細であるからこそ、豊かな感受性を持ち合わせている人が多いのも特徴です。
HSPは独自の感性と想像力から、小さなことでも感動や発見をしやすく、クリエイティビティやインスピレーションが育まれやすい傾向にあります。
そのため、芸術的な感性を兼ね備えている可能性も少なくありません。
感受性が豊かなHSPの方には、日々のインスピレーションから商品やものを生み出し、表現する職業に向いています。
HSPに向いてる仕事の傾向と具体的な職種

前述した特徴をセールスポイントとすると、具体的にはどのような仕事がHSPには合うのでしょうか。
これからHSPに向いてる仕事の傾向と職種例を紹介します。
技術職
正確さが必要とされる技術職では、HSPの細部に気を配れる鋭い五感力を活かせます。
特に緻密な作業や継続的な改善を得意とすることから、技術職はHSPの人におすすめできます。しかし、速さが求められる業務には要注意です。
また技術職といっても、職種によってはコツコツとマイペースで作業ができる場合もあるため、以下のツイートのように思考力を活かせる場面もあります。
先ほどの #HSP #HSP気質 さんが
プログラマーに向いているなツイートシンプルに考えたら
1つの事に対してものすごく枝を伸ばして考える
( 1つのプログラムで様々な動作・分岐をする )プログラムは HSP思考そのままやん
考えすぎてシンプルさを忘れるとそういう恥をかく私の欠点、認めるは大事
— 気ままさん (@kimama_91) September 2, 2020
需要が高まっているIT系などでは在宅勤務が可能な場合が多く、自分が落ち着ける環境で仕事が行いやすいでしょう。
- システムエンジニア
- システムアナリスト
- ソフトウェア開発
- プログラマー
- 料理研究家
- 料理人
- パティシエ
- ハンドメイド作家
- 電気・電子等の製造業
- 重機オペレーター
- 職人
- 調香師
ケア・トレーナー
共感力が高いHSPの場合、人の心や身体の治療・お世話を行う仕事や、生き物のトレーニングを行う仕事などがおすすめです。
人の悩みや痛みに敏感なHSPは、深い部分まで相手に寄り添うことができるため、相手のために心を尽くすことは、自分自身の癒しにもつながるでしょう。
#HSP 傾向の鍼灸師です。
HSPの患者様から言わすとHSPど真ん中と言われました笑開業し六年間、HSP傾向の患者様がとても多く。
HSPの方がいらっしゃると玄関に入ってきた時点で大体わかります☺️✨その瞬間で、ホッとします
施術で僕自身が癒されてしまいます
そんな方にもっとお会いしたいです😊— 鍼灸 栗原治療院【千葉県野田市】栗原洋 (@kuribarashinkyu) August 5, 2020
実際に上記ツイートのように、人を癒やすことで自分が癒やされるケースもあるようです。
また、動物からの些細なサインにも気づきやすいため、生き物に携わる仕事も向いています。
- 介護士
- カウンセラー
- 整体師
- 鍼灸師
- セラピスト
- トリマー
- ペットシッター
- 動物園・水族館・植物園のスタッフ
- フラワーショップ
クリエイター
豊かな感受性を持ち合わせているHSPの場合、創造性を活かせるクリエイター職がおすすめです。
クリエイターは、自分の価値観や創造性を作品に反映できるのが、仕事の醍醐味といえるでしょう。
また、作業自体は一人で行うことが多いため、仕事に没頭しやすい点も魅力です。
実際にデザイナーさんの中には、以下のツイートのように、繊細さを活かしてミスに気づけることにメリットを感じている人もいるようです。
Webデザイナーには繊細さんが多い
僕もそうですが、HSPの方は些細な変化や違和感にも気がつきやすいです。例えば、サイトのチェックでミスに気がつくなど結構あります。
繊細な面は気を使うし、疲れやすいデメリットもありますが、繊細ならではのメリットもあるので、向き合って活かしていこう!
— こた@フリーランスWEBデザイナー (@kota_webdesign) May 15, 2021
クリエイターは副業としても始めやすい上に、独立も視野に入れやすいため、少しでも気になる場合は小さいステップでも良いので、始めてみてはいかがでしょうか。
- イラストレーター
- デザイナー
- 音楽クリエイター
- 映像クリエイター
- ゲームクリエイター
- VRクリエイター
- カメラマン
- 編集・制作
- WEBライター
- WEBデザイナー
- 動画編集者
事務職など
共感力が強いあまり、人との交流がストレスになりやすいHSPには、一人で黙々と作業ができる仕事環境であるかどうか重視したい要素です。
対人関係の負担を減らしたい場合、単独業務がメインとなる職種を選ぶと、精神的な辛さを軽減できます。
単独業務がメインとなる職種の代表格といえば事務職です。
以下のツイートでも、データ入力や資料作りなど、一人で黙々と行える事務仕事は、HSPに向いているとの声がありました。
仕事とHSP
私の経験ですが、HSPさんは『自分だけで集中する仕事』が向いている。
チームでするとコミュニケーションが必須。
話しかけるタイミングが難しいですよねぇ。1人で集中できる仕事なら必要最低限の声がけで仕事ができる。
データ入力とか、資料作りとかはかなり向いていると思いました。— 西本純子@HSP×楽に生きる方法を毎日発信中! (@Jun0618hsp) July 6, 2020
- データ入力
- 学芸員
- 倉庫作業
- 工場作業員
- 清掃員
- 警備員
- ドライバー
- 新聞配達
- 在宅ライター

HSPに向いていない仕事

これまでHSPに向いている仕事を紹介しましたが、逆にHSPに向いていないのは「プレッシャーが強い」あるいは「人との交流がある」仕事です。
上記の特徴を持つ仕事は、繊細さをもつHSPにとって負担になりやすく、思うようなパフォーマンスを発揮できない可能性が高いでしょう。
では具体的に、HSPに向いていない仕事の特徴と職種を説明します。
営業職
ノルマ等があり、常に結果や成績を求められる営業職は、プレッシャーによるストレスを感じやすい職種です。
特に人の感情に敏感で反応しやすいHSPは、売上などで優劣を決められ、対立が助長されるような職場には向かないでしょう。
ただし同じ営業といっても、顧客と接する必要がない営業や、共感力を活かしやすい個人向け保険営業などには適性がある可能性があります。
HSPにおすすめしない営業は、新規開拓をメインとした法人営業などの職種で、他には以下の職種が挙げられます。
新規開拓をメインとした営業は、不特定多数の人に接する機会が多く、頻繁に勧誘やセールスを行う必要があるため、HSPには負担を感じやすいでしょう。
- メーカー営業
- 外資系の営業
- 不動産の営業
- 総合商社の営業
接客業
人の言動や感情の動きに反応しやすいHSPには、人と接する機会が多い仕事はおすすめしません。
また、人が多くて騒がしい職場も避けたい環境です。
刺激が強すぎてストレスを感じ、慢性的な疲れから、体調不良に陥る可能性が高くなります。
たとえば飲食業では、瞬時の判断や行動が求められ、マルチタスクが必要です。
HSPは顧客の小さな変化に気づきやすい点は強みですが、刺激が多い環境では、何から着手すれば良いのか分からなくなり、冷静さを失いやすくなる人が多いです。
接客業であれば、顧客からいきなり突飛な要望を受ける、なんてこともしばしば起こります。
普段だったら問題なく行える作業でも、周りの環境が騒がしかったり、イレギュラーな対応が求められたりすると、集中力が削がれ、臨機応変な対応が難しくなります。
結果として、全体を俯瞰しながら優先順位を決めて作業を進められなくなり、対応しきれずにミスを起こしやすくなる危険があります。
このようにHSPは、人の言動や感情の動きに反応しやすいため、常に人と接する必要がある飲食店やホテルでの接客業は、あまり向いていないでしょう。
- 飲食業
- 販売業
- ホテルスタッフ
- コールセンター
- 窓口対応
- 受付

HSPに向いてる仕事の探し方
HSPの強みや、向いている仕事などが分かったところで、実際にHSPが仕事を探す上で意識したいポイントと流れについて解説します。
自分の得意・不得意を把握する
まずは、自己分析で「得意なこと」「不得意なこと」を知るところから始めます。
同じ特徴でも人によって感じ方はさまざまです。
共感力がとくに強い人もいれば、匂いや光に過敏な人もいます。
過去の経験を参考にして、働きづらさを感じた場面や職場環境、人間関係などを把握しましょう。
HSPは以下のような得意・不得意を持つ人が多い傾向にあります。
- 一対一の会話
- 単独行動
- 取り組みへの集中
- 自分の感性を表現すること
- 周囲に人がいる中での作業
- 同時並行でする作業
- 大勢での雑談
希望条件を洗い出す
事前に行った自己分析から、自分の得意・不得意が把握できたら、仕事をする上で希望する条件を書き出してみましょう。
たとえば、以下のような条件が考えられます。
- 就業場所
- 勤務環境
- 仕事量
- 雇用形態
- 職場の雰囲気
働きづらさ、しんどさを感じない理想の職場環境や人間関係をイメージしておくと、仕事探しのヒントになります。
強みを活かせる仕事を選ぶ
自分の得意・不得意を踏まえ、仕事を行う上での希望条件が洗い出せたら、実際に仕事を探してみましょう。
HSPが仕事選びで重視すべきポイントは、苦手克服でなく、得意を活かせる仕事内容や環境に重きを置くことです。
HSPは他の人よりも繊細で感覚が敏感だからこそ、無理して頑張るよりも、自分の得意や特性を活かすことを重要視したほうが、向いている仕事に就きやすいといえます。
一般的な仕事探しには以下のような方法があります。
- ハローワーク
- 地域の求人情報
- 知人や友人の紹介
- 転職サイト
- 転職エージェント
ただしHSPの人はガツガツと求人応募を重ねるよりは、じっくりと会社を検討し、志望度の高い企業を定めた方が転職が成功しやすいといえます。
そういった意味でも、一人ひとりに手厚い転職支援が受けられるサービスの利用を検討すると良いでしょう。
困ったら、転職エージェントを活用する
仕事を周囲と同じようにできない、続かないと悩んでいるHSPの人は、自分を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
苦手が分かるだけでも、仕事探しのヒントになるはずです。
それでも条件に合う仕事が見つからない、興味はるけど自分に向いてるか分からないという時は、転職エージェントを活用してみるのもおすすめです。




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