晴れて転職が決まったのに、転職先でトラブルに巻き込まれてしまったら悲惨です。
そうならないためにも、「転ばぬ先の杖」として転職後によく起きるトラブルの事例を知っておきましょう。
この記事では、転職後によく起こるトラブルを乗り越える方法をまとめました。
転職後によく起きる6つのトラブル
転職後によく起きる6つのトラブルは以下の通りです。
- カルチャーになじめない
- 仕事の進め方が合わない
- 入社条件が事前の話と違う
- 結果を出せていない
- 人間関係がうまくいかない
- 転職先の業績が急に悪くなる
①カルチャーになじめない
最も多いトラブルは、転職先企業のカルチャーになじめないというものです。すべてはそこに端を発して問題が起こるわけです。
カルチャーというものは、企業単位だけでなく部署によっても異なります。入社前に人事の採用担当者から受けた印象で、この会社はこういうカルチャーだと思い込んで入社したら、配属先ではまるで違っていたというケースもあります。
入社前に配属予定先の人と会わせてもらったりしたとしても、配属後に感じるカルチャーギャップを完全には防げません。入社前には雰囲気をつかめる程度でしかないからです。
特に組織が大きい大企業の場合、部署ごとにカルチャーが違います。したがって転職したら、まずは新しいカルチャーに慣れるしかないと割り切るべきです。
◆対策
これはもう王道はありません。カルチャーギャップを感じながら慣れるように努力するほかに手はないのです。まずは前職での価値観を捨てて、1年くらいは新しいカルチャーに溶け込むように自分を仕向けないといけませんし、辛抱が必要です。
前の会社でも、地方へ転勤になったり海外へ駐在したりした際には、同じ会社といっても新しい部署に馴染むのに苦労があったはずです。
それでも、いつの間にか馴染めたのではないでしょうか。それと同じで、自ら馴染もうという姿勢を持っていれば、時間が解決してくれます。
②仕事の進め方が合わない
①の転職先の企業カルチャーになじめないトラブルと関連しているのですが、「業務の進め方や流れがどうも自分と合わないようだ」と悩むがよく見られます。
たとえば、財務・経理の分野ならばどの会社でも一般的なルールに基づいているわけですから、転職しても大きな違いはないと傍目には考えられますし、転職者本人もそう認識して転職したのに、作業の進め方が前職とどうも違っていて納得がいかないと感じてしまう場合があります。
◆対策
これこそまさしく「郷に入っては郷に従え」が対応策となります。
この会社では、こういう仕事の進め方をするんだと思ってそれに合わせていく、当面はそれしかないのです。この際ですから、別のやり方を学べるチャンスと考えたらよいでしょう。
その方法や進め方、流れのメリットとデメリットを見極めてから、将来的には前職でおこなっていた方法の良い点だけを移植するように提案しましょう。自ら実行して周囲に規範を示す姿勢で臨むべきなのです。
仕事の進め方が自分に合わないからとか、非効率なやり方をしているからとか、理由はどうあれ、いきなり「これは変だ、間違っている」などと最初から批判してはいけません。
③入社条件が事前の話と違う
待遇(給与)、仕事内容、ポジションなど実際の条件が、入社前に合意した内容と違っているというトラブルがときにはあります。
たとえば、最初の給与の明細書を見たら金額が違っていたとか、幅広く仕事を任せるという合意だったのにほんの一部の範囲にしか仕事に関われないとか、試用期間が終わったら正式のポジションに就くという話だったのにポジションにつけないままであるとか、そういったトラブルです。
◆対策
ひとつには、予防策を講じておくことです。入社前には採用決定通知書(採用条件を明記した文書)を必ずもらい、その内容をきちんと確かめておきましょう。
また、不明瞭なところがあれば人事部に尋ねてより明確にしてください。文書で確認し、文書を残しておくことがトラブル抑止につながるわけです。
もし採用決定通知書がありながら、その内容と異なる点でトラブルが発生してしまった場合には、人事部や経営者との交渉ということになります。トラブルの内容によっては、上司が交渉相手という場合もあるでしょう。いずれにせよ、黙って泣き寝入りする必要はありませんし臆するべきでもありません。
少しの間は耐えて待ってみようとする人がいますが、それは間違いです。早めの交渉が傷口を広げない最良の方法です。
また、採用決定通知書には明確に記載されていない条件、または全く記載されていない口頭での合意条件がお互いに食い違っている場合ですが、こういう際には、冷静に交渉する必要があります。
まず、上司なり人事部に説明を求めてみましょう。食い違っていることを指摘して、その理由を尋ねてみるのです。その上で調整を要求してみましょう。
④結果を出せていない
即戦力として入社したのにもかかわらず、思うような結果を出せない時はツラいものです。
昨今では成果主義が当たりまえになりつつありますから、営業部門の場合、試用期間の3ヶ月が終わろうという時期になっても、まだヒットレベルの成果さえ出せていないとなったら、正直言って気が気ではありません。
◆対策
まずは本当に窮地だと思うなら、謙虚になって、周囲へ助けを請うべきです。上司や同僚に自ら相談を持ちかけ、困っている状況を素直に話しましょう。すなわち理解を求めるのです。
変な気負いなど捨ててしまいましょう。結果を出せないでいる状態をオープンにしてしまうことが大切なのです。あなたが努力しても結果を出せないでいることを周囲もわかっていますから、素直に心情を吐露することで助力を仰ぐように持っていくのです。
時には周囲から助け舟を出してもらえることがあるでしょう。決して無理に肩肘を張ってはいけません。困っているのに意固地になっているとみなされて、逆に孤立する結果を招きかねないのです。


⑤人間関係がうまくいかない
転職先で人間関係がどうしてもうまくいかないという場合、ほとんどは職場内で浮いた存在になっていることが想定されます。もし自分が浮いているとするならば、なぜそうなったかを分析する必要があります。
人間関係をスムーズして、浮いた存在にならないためには、組織内の力関係を把握しておくべきです。逆にいえば、力関係を無視した言動が災いして「浮いている」可能性が高いのです。不用意に「出る杭」になってしまっているのかもしれません。
一般的にマネジメント職で転職した場合、人間関係で一番怖いのは部下との温度差です。あなたが前職でいくら実績を残し、できる人材とみなされていたとしても、転職後の職場ではゼロベースで、まだ何も実績がないのです。
◆対策
まずは、自分から積極的にコミュニケーションを図るのが大切です。そして、わからないことや不安なことは、相手が年下といえども低姿勢になって教えてもらいましょう。分かるまで聞いて回るのです。
この点は、言われてみれば当たり前のことですし、誰もが納得する簡単なことに思えます。ところが、実際にいざ自分でやろうとすると、新しい職場ではそううまくは行かないものなのです。
頭で考えるほど簡単ではありません。謙虚の上にも謙虚が必要なわけです。
職場の人間関係は、いったんこじれると修復するのにエネルギーが要ります。こじれる前に手を打たねばなりません。少しでも自分が浮いているように感じたら、上司や人事部に相談してアドバイスをもらうべきです。


⑥転職先の業績が急に悪くなる
転職したら、1年も経たないうちに会社の業績が急落して倒産の危険性が出てきたり、外資系企業なら日本からの撤退話が持ち上がったりというトラブルがないわけではありません。
業績悪化でリストラが始まり、自分が辞めねばならない局面に立たされるということもあります。あるいは部門閉鎖で所属社員が全員解雇されるということも、今の時代は珍しいことではありません。
◆対策
残念ながらこういうトラブルは、入社後にいくら努力しても解決策がありません。入社を決める前に、将来を託してもいい会社かどうかを調べて、自分なりの判断を下すしかないわけです。
株式公開企業や一定規模以上の会社ならば、企業情報を事前に集めることが可能でしょう。業績の現状と向こう2~3年の見通しくらいは把握できるはずです。
難しいのは中小・ベンチャー企業の情報です。少なくとも財務内容くらいは確認しておきましょう。入社内定後に財務諸表などを申し出ればもらえる会社もあります。
自分で内容を分析できなかったら、財務分析に詳しい友人に会社の業績を見てもらうという方法もあります。また、民間の信用調査会社のデータベースを使うと、業務判断の手がかりになる情報が得られます。同じ業界内での評判も参考材料になるでしょう。
しかしながら、それでも経営の実質をつかむのはなかなか難しいものがあります。入社してみないとわかりませんし、入社した後も、しばらくの間は気付かない可能性が高いのです。
転職のプロに相談しよう
ここまで、転職後によく起きるトラブルの乗り越え方を見てきました。しかし、トラブルに会う前に、このような会社への転職をなるべく避けたいというのがあなたの本音でしょう。
転職前に、「トラブルのない会社なのか」ということを完全に把握するのは困難です。しかし、転職のプロである転職エージェントの力を借りれば、トラブルの少ない企業に転職することは十分に可能です。
転職エージェントは、自分だけでは知ることができないような企業の深い情報をもっています。ですから、転職のプロである転職エージェントに相談することが、トラブルの少ない企業への転職を成功させる筋道となるのです。
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