
第二新卒の定義は一般的に25歳前後といわれています。しかしこれはあくまで一般論であり、企業や就職・転職を支援するエージェントによって、何歳までを第二新卒とするのかは判断が分かれているのが実情です。
企業によって「20代全般」、「最終学歴から3年以内」、「就労経験が3年以内」など、その区切り方や応募条件は多岐にわたります。
ただし、2010年に厚生労働省が発表した「青少年雇用機会確保指針(*)」で、既卒3年以内は第二新卒も新卒と同じ枠での応募を可能とすることを企業側に要請していることからも、「既卒3年以内」というのが一つの目安になりそうです。
本記事では、第二新卒者の基準となる年齢、最終学歴、就労経験について説明します。
第二新卒者の定義「年齢」


結論からいうと、第二新卒の定義を年齢で明確に区切ることは難しいです。
企業によっては応募条件として「おおむね●●歳まで」としていることはありますが、厳格とは言えません。
余談ですが、2007年から労働者の募集および採用における年齢制限禁止の義務化により、正当な理由なく、年齢を理由に応募や採用の可否を決めてはならないことになっています。
そのため、第二新卒の年齢制限も目安としていることが多いです。
一般的な第二新卒は25歳前後
一般的に第二新卒の年齢上限が25歳前後とされるのは、厚労省が提言している「既卒3年以内」が根拠になっています。
4年制大学にストレートに入学、卒業すれば、3年後は25歳だからです。
ただし企業によっては3年の間に就労経験があるか、ないかで呼び方を変えていることがあります。
- 就労経験あり→第二新卒
- 就労経験なし→既卒
よって同じ25歳前後であっても、応募の際は条件が「第二新卒か既卒か」確認しておきましょう。


企業によっては20代全般という場合もある
企業によっては、20代全般を第二新卒として考えている場合もあります。
ここで「20代全般ならチャンスが広がった!」と早合点しないように気をつけましょう。年齢上限が上がるということは、ライバルも増えるということを意味するからです。
大学を卒業して22歳の新卒入社した場合、28・29歳にもなれば、中堅社員として活躍している頃。人によっては役職に就いていたり、重要なポジションを任されていることもあります。
もはやこの辺りになれば、第二新卒の就職活動というよりはキャリアアップのための転職活動といえますが、そういう人と戦わないといけないということです。
もちろんチャンスがない訳ではありませんし、年齢に縛られすぎずに採用したいという企業の意志も垣間見えるので、挑戦する価値はあります。




第二新卒者の定義「最終学歴修了後から3年以内」


第二新卒者の定義を、最終学歴修了後からの年数で決めているケースもあります。その年数はおおむね3年以内としていることが多いです。
つまり、最終学歴によって第二新卒の年齢は以下のように考えることができます。
- 最終学歴が高卒:21歳前後
- 最終学歴が大卒:25歳前後
- 最終学歴が大学院(修士)卒:27歳前後
それぞれのケースのポイントについて解説します。
高卒の第二新卒の特徴と期待されていること
最終学歴が高校の場合でも、卒業後3年以内は第二新卒として扱われます。
高卒の第二新卒に期待されることと言えば、他社の社風に染まりすぎていないフレッシュさ、長期就労によるスキルの向上、社会経験を積んだことによる即戦力です。
第二新卒とはいえ、高校卒業後3年でも21歳ですから、会社の中では超若手になります。かつ、社会人としての基礎やマナーが身についていると期待されているのです。
なお、厚生労働省が発表している「新規学卒者の離職状況(2016)*」によると、高卒の3年目までの離職率は39.2%にものぼります。
およそ4割もの人が離職をしているということは、それだけ再就職や転職活動をしている人が多いので、企業側も慣れているはずです。
とはいえ、あまりにも短期に転職を繰り返すと、採用側への印象が悪くなってしまうので、若いといえども転職活動は慎重に行いましょう。
大卒の第二新卒の特徴と期待されていること
最終学歴が大学の場合、卒業後3年以内の要件に当てはまる25歳前後が、第二新卒の年齢上限といえます。
正社員、派遣社員、アルバイトなど、3年間の就労形態は問わないケースが多いですが、企業によっては条件があるので応募前に確認してください。
また3年間無職でも第二新卒として応募できるケースと、無職の場合は「既卒」として別枠で募集されることもあります。
大卒の第二新卒が期待されていることといえば、基本的には社会人としての基礎が身についていることと、会社を支える人材として長く働いてもらうことです。
面接の際には、たとえ短くても社会人経験や今後の抱負を伝えられると良いでしょう。
「新規学卒者の離職状況(2016)*」によれば、大卒の3年目までの離職率は32.0%です。3人に1人が辞めるということは、それだけ第二新卒にもチャンスが回ってくる可能性があるということですが、第二新卒での転職のチャンスは1回と思いましょう。
20代で頻回に転職を繰り返していると「続かない人」と見なされるかもしれないからです。第二新卒での転職を成功させるなら、転職エージェントなどプロの力を借りることも検討してみてください。
院卒の第二新卒の特徴と期待されていること
院卒の第二新卒と言えば、おおむね27歳前後がボーダーです。しかし、実際は26歳くらいが最終ラインといわれています。
というのも、そもそも院卒に期待されているのは「高い専門性」です。そのために大学卒業からさらに2年専門教育を受けています。
ただ企業側から見たとき、たとえ大卒でも27歳ともなれば4〜5年自社で働いており、それなりの専門性が身についているわけです。
現場力・経験ということを加味すれば、他社での社会人経験2〜3年の27歳よりも、自社で4〜5年仕事をしてきた27歳の社員の方が重宝されるでしょう。
場合によって第二新卒枠ではなく、30歳前後の社会人経験が豊富な人の枠で競争しなければならないかもしれません。
このように院卒が第二新卒枠で転職するには高いハードルが存在します。せっかく身につけた高い専門性を活かすためにも、転職エージェントに相談して、クローズドな案件を紹介してもらうのがおすすめです。


第二新卒者の定義「就労経験」
「最終学歴修了後、就労経験が3年以内」のように、年齢や学歴によらず、就労経験の年数が条件になっていることがあります。
正社員、派遣社員、パート、アルバイトなど就労経験の形態は問わないことが多いです。
ここで重要なのは、就労形態よりもその仕事であなたが何をしてきたかです。
正社員でもただ決まった時間に会社に行って最低限の仕事をこなしていたのと、アルバイトでも自発的に行動して売り上げを伸ばしたのとでは、後者の方が採用担当者の印象が良いでしょう。
3年の間に複数の仕事に就いた場合も、伝え方に工夫が必要です。ただたくさんの職に就いたというだけでは、飽きっぽい人、辛抱強く仕事を続けられない人と思われる可能性があります。
しかし、「自分には●●という目的があり、それを達成するためのスキルを身につける目的で△△と■■という仕事にそれぞれ1年半ずつ従事した」と言えば、「目的を持って仕事に取り組める人」と評価を受けられるかもしれません。
定義を年齢等ではなく「就労経験」としていることから、社会人としての基礎や仕事への姿勢、即戦力が求められているということを意識してください。


第二新卒はおおむね最終学歴から3年以内と定義されている
第二新卒の年齢は、厚生労働省の提言にしたがい、最終学歴修了からおおむね3年以内と定義している企業が多いです。
そのため、大卒を基準とした時、25歳前後というのが一定のボーダーラインといえます。
とは言え、企業によって20代全般、就労経験が3年以内というように独自の条件を設けている場合も多いので、転職の際には事前リサーチが必要です。
事前のリサーチ、より自分の適性や条件にマッチした転職を成功させるには、転職エージェントを活用するのも手です。
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